磁気 データ消去装置 に関する一般的なよくある質問

磁気 データ消去装置の構造

一般的に磁気データ消去装置とは電気エネルギーにより磁場を発生させ磁場のエネルギーで磁気メディアの磁性材に記録(磁化)された磁気信号を破壊するための装置である
特に瞬間的に強力な磁場を発生させ、その磁場の発生エリア内にセットされた磁気メディアの磁性材に記憶された磁気信号を破壊するタイプの瞬間磁気データ消去装置を、最近は一般的に磁気データ消去装置と呼ばれいる
(瞬間)磁気データ消去装置は
①電気エネルギーを蓄えるためのコンデンサーC
②コンデンサーCに蓄えた電気エネルギーで磁場を発生させるコイルL
③コンデンサーに電気エネルギー(電荷)を送るための充電回路
④コンデンサーの電気エネルギーを一気に流すための放電回路
⑤各種異常をチエックするための安全回路
大きくは上記ブロックから構成され
一定時間(数秒から数十秒)をかけてコンデンサーCに電気エネルギーを充電し、コイル空芯内に磁気メディアをセットした状態で、放電回路によりコンデンサーCに蓄えた電気エネルギーを空芯コイルLに一気に流し込み、空芯コイル内に発生した強力な磁場エネルギーで磁気メディアの磁気信号を破壊する。それと同時に各種動作のチエックを行う
尚、瞬間的磁場の発生は時間にして0.02秒~0.05秒(1/2λ)程度で、波長(λ)にすると120万メートル~300万メートル程度となります

下記は弊社磁気データ消去装置ERAZERのブロック図(特許第5608917号より)

磁気 データ消去 の必要性

最新技術では、プラッターの1mm四方の破片からデータが取り出せます。2.5インチHDD320GBのプラッターには1mm四方あたり約50MB以上(5千万文字)のデータが記録されています。データを完全に読取れなくするためには、磁気メディア全体を消去す磁気 データ消去 が重要になります。

データ消去装置 の発生磁力と消去可能ハードディスクとの関係

通常、水平(面内)磁気記録方式ハードディスクのデータ完全消去には、そのハードディスクの保磁力(抗磁力)の約1.4倍以上の瞬間発生磁力が必要です。又現在、水平・垂直磁気記録方式ハードディスクの保磁力は360kA/m(4,500(Oe))程度です。水平磁気記録データの データ消去 の場合、データ消去装置 の発生磁力は余裕を見ても560kA/m(7,000(Oe))以上あれば完全消去できます。垂直磁気記録ハードディスクは水平磁気記録に比べ記録磁気の厚みが10~100倍あり、直流方式の データ消去装置 で消去する場合、一定以上(ms単位)照射時間が重要になります。照射時間を考慮すると発生磁力は600kA/m~850kA/mが最適です。560kA/m以下の場合は水平・垂直共に磁気記録のデータ消去が不完全になります。また、880kA/m以上の場合は照射時間が不十分になり、垂直磁気記録の磁気記録 データ消去 には注意が必要です。(ERAZERでの試験にて・特許 第5608917号)。
垂直型磁気記録ハードディスクは、磁気異方性を垂直方向に持たせるため磁性体の厚みが水平磁気記録方式の磁気データより分厚く(水平の約10~100倍)保磁力は水平磁気記録と同等程度です。瞬間発生磁力よりもプラッター磁性面の磁気異方性エネルギーを上回るトータル的磁気エネルギー(弊社独自 特許第5608917号)が重要です。又垂直型磁気記録ハードディスクの保磁力は、今後容量の増加、高密度化とともに、隣接磁気信号間の影響を少なくする必要があり、いかに保磁力の低い磁性体で垂直方向に磁気異方性を持たせ読み書きするかが重要な開発ポイントとなっています。

発生磁力が高いのに、垂直磁気記録方式の磁気データの データ消去 が不完全な理由

水平(面内)磁気記録方式の磁気記録データの消去は データ消去装置 の発生磁力が高ければ高いほど消去しやすいのですが、一般的消去装置はその構造上、発生磁力が高ければ高いほど磁気照射時のトータル的磁気エネルギー(発生磁力×照射時間・特許出願)が低くなります。
結果、水平磁気記録は データ消去 できても垂直磁気記録の データ消去 が不完全になります。

消去の瞬間の音は何が原因ですか?

通常、磁力の発生そのものは無音です。磁力発生部の周り(板金・その他の関連部品)が磁力の影響を受け振動するときの音です。磁力発生部から外部への漏れ磁力が大きければ大きいほど、また、板金・関連部品の作りが甘いほど、大きな音、高い音が発生します。

従来の水平磁気記録方式ハードディスク(HDD)と、最新の垂直磁気記録方式ハードディスク(HDD)の違い

小学校のころ実験で使った棒磁石をイメージしてみてください。棒磁石はその棒の方向(長い方向にNとS)に磁化されています。この方向が磁性材の自然の磁化の方向です(水平磁気記録)。それをハードディスク(HDD)メーカーが技術改良を進め、見た目短い方向に(N/S)磁化させたのが垂直磁気記録方式です。従来の水平に磁化させた磁気記録データの消去は、そのプラッターの磁性面の保磁力のみを考慮し磁力をかけていればよかったのですが、垂直方向に磁化された磁気データを消去(破壊)するためには、保磁力以外に磁気異方性エネルギー考慮する必要があります。

磁気 データ消去装置 で消去した磁気記録ハードディスク(HDD)の再利用について

ハードディスクの再利用はできません。ソフト消去のように通常のデータだけが消去されるのでなく、磁気記録データすべてが データ消去 されます。ハードディスク(HDD)製造時に記録されるサーボ信号(ハードディスクの磁気ヘッドがトラックを検出し、読み取り位置を決めるために重要な磁気記録信号)も データ消去 されるため、ハードディスクのイニシャル動作も出来なくなります。注)磁気テープも、磁気によるサーボ信号を利用して読み書きするタイプは、サーボ信号の再書き込みが出来ない場合、再利用は出来なくなります。

磁気 データ消去装置(磁気データ消去機)で消去したハードディスク(HDD水平、垂直磁気記録)で、消去出来ているかの手軽な確認方法

1.市販のHDDスタンド等でパソコンと接続させてみてください、磁気消去済の場合はディスクを認識しません。
2.水平・垂直磁気記録ともに、磁気粒子10nmのコロイド液を利用し、データ消去 前とデータ消去後を比較することにより、目視で確認できます。(注:ハードディスク(HDD)を分解しプラッターを露出させる必要があります)

MFM磁気顕微鏡による磁気記録の確認とコロイドによる確認の違い

コロイドによる磁気パターンと、MFM顕微鏡による消去確認をご参照下さい。コロイドはプラッター全体を確認することができ、安価で手軽な方法です。MFMでの確認は、細かい磁気ビットの形まで確認できますが、非常にミクロに見るため、プラッター全体を見渡すのは難しい。又最先端の技術で簡単には撮影できません。消去の確認に磁気ビットの形まで見る必要はなく、通常の場合コロイドでの確認で十分です。弊社は製造メーカーとしての責任からMFMでの確認も行っています。

コロイド液で検査する場合の注意点

消去装置の発生磁力は保磁力より十分高くても、消去のトータルエネルギーが磁気異方性エネルギーレベルより低いと、プラッターの表面の磁気パターンだけが消去され、中心部に磁気が残っている場合があります(特に垂直磁気記録ハードディスクの場合)。その場合、数時間後磁気データパターンは元の状態に戻ります。データ消去 直後だけの検査で安心せずに、24時間後に再度検査されることをお勧めします。弊社の 磁気 データ消去装置 ERAZERは発生磁力のみでなく磁気異方性エネルギーレベルを考慮した設計ですので、安心してご利用下さい。

コロイドでは垂直磁気記録HDDの磁気記録は確認出来ないことがある

高密度HDD、垂直磁気記録HDDは特に、プラッター表面が特殊コーティング(保護層)されています。保護層の処理をせずにコロイドを塗ってもコロイドは反応しません。データ消去 前にコロイドを塗り、データ消去 後と比較するようにしてください。また、保護層は簡単に除去できます。除去する方法は弊社にお問い合わせください。
コロイドペンは株式会社シグマハイケミカル様のシグマーカーSRを推奨(利用)しています。

磁気 データ消去装置 ERAZERのPSEマークについて

データ消去装置 は国内で販売する為にPSEマークが必要です。もちろん、各種安全を確認しPSEマークを取得し機器に表記し出荷しています。又、国内では必要ございませんが、FCCやCEマークにも準拠した製品です。

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消去済メディアをわかりやすく! 

消去完了シールERAZERオプション
LOGオプション機能とbrother製ラベルプリンター(QL-800)を使用いただくことで、消去作業時に発行したラベルを消去済みメディアに貼り付けることにより、消去完了がとても分かりやすくなります。